整形外科は、筋肉・骨・軟骨など本人が気付かない疾患をいかにみつけるか?がポイントだと感じています。リハビリ中の異変や運動中の体の動きに目を光らせる毎日です。
これまで折に触れ、様々な看護師に必要な能力について考えてみましたが、「適応力」というものが考えられると思います。
適応力とは文字通り環境に合わせて自身の行動を修正していく力の事ですが、今までの項目に照らし合わせると、まず「最低限の職場への適応」こそが体力、「周囲の人間が作る複雑な環境への適応」がチームプレイ、「刻一刻と変わる状況に屈することなく適応する」ための楽観的な姿勢、そして今回考えていくフットワークもこれらを総合したような力です。
病院をはじめとする看護師の職場では、常に想定外の事態が起こりえます。患者の容体が急変するかもしれませんし、患者に色々と相談を受けることもあるでしょう。また、医師から指示を受けてその場では了承したものの、よくよく考えてみるとやり方が分からない、もしくは方法が変わっていたためか従来のやり方が通用しないなんてこともあるでしょう。何か起きた時でも、起きたものは仕方がないのでとにかく楽観的に、何か対策があるはずだ、と考えることの大切さは少しご説明しましたが、では、いざ何をするか、できるかを考え、実行に移すフットワークの軽さも重要というか、結局何もできないのでは意味がありません。
分からないことが有ったら人に聞く、というのが何事においても鉄則ですが、多忙な現場では必ずしも人に聞いている訳にもいかないことがあります。そんな時に、人に聞くまでそのままにしていくか、出来る部分を探して済ませておき、人に聞けるタイミングを窺うかではだいぶ印象も違いますし、作業にかかる時間も最終的に短くなります。とっかかりが分からないとついついその後も分からない気がして手が止まってしまいがちですが、知らない機械を分解する仕事ならそれで正しいかもしれません。しかし、仕事というものをよく見ると一見ひとつの仕事でも実際には多数の要素の集合体であったりすることがほとんど……とまでは言いきれませんが、かなり多いのは確かです。そんな、出来そうな要素を先に把握しておき、出来るならば先に済ませてしまうことで最終的な負担の量も変わってくるはずです。「指示待ち人間になるな!」という最近の風潮に対し、「やり方分からないんだから仕方ないだろ!」という反論もごもっともですが、本当にそうなのか、いざ聞いてみると知らないのは途中の1ステップだけで、他は案外自力でできた、となると何とも効率が悪いと言わざるを得ないでしょう。時には自分の判断で動くことも看護師には必要なのでしょう。